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転勤が決まったら。借り上げ社宅(不動産業者)の探し方
2019/08/08
借り上げ社宅の部屋、どうやって探す?
転勤の正式な辞令が下りた時、すぐに取り掛からないといけないことばかりで、転勤に慣れた方でも『何から手を付ければ・・・』と手続きの多さに混乱してしまいます。
特に重要なのは住まいに関する心配で、新しい赴任先で活躍するかしないかは、体を休める住居によって大きく変わるといっても過言ではありません。しかし転勤者はじっくりと部屋を吟味し、気に入ったところがあれば入居するような悠長な時間はありません。変な部屋を契約してしまって後で文句を言っても会社は対処してくれません。
初めての転勤も、何度目かの転勤も、精一杯職務に打ち込めるよう準備をしっかりおこなうことが必要です。優先度の高いものから手続きの基本を押さえていきましょう。
《今の家の退去手続き》
①持ち家の場合
単身赴任の場合はそのまま家族が利用するため手続きは必要ありませんが、家族帯同の場合は今の自宅を今後どうするかを決めなければなりません。処分するのか、空き家にしておくのか、賃貸にして家賃収入にするのか、方法はさまざまですので家族と話し合って決めましょう。賃貸に貸し出す場合には期限付き(定期借家)にて貸し出す方法なども含めて、地元の不動産業者に相談して方法を検討しましょう。ライフラインの手続きは2・3日前に連絡すれば清算できますが忘れがちなのでチェックリストに入れておきましょう。
②賃貸の場合
すぐに管理会社に電話して、転勤のため解約する旨を伝えておきましょう。通常の賃貸住宅は解約手続きが一か月前のところが多いため、赴任後の家賃(カラ家賃)を増やさないようにすぐに手続きが必要です。
《住居の手続き》
転勤シーズンは春をピークに全国的に同一時期に発生するため、住宅の入退去が一気に動く時期でもあります。また賃貸は先着順で人気のある物件から先に埋まりますので早い段階から準備が必要です。とはいえ、1か月後の内見予定に対して事前に物件を提案してもらって気になる物件があった場合でも、内見時には決まっていたということはよくあることです。『だいたい2週間前』くらいから不動産業者に連絡を取り、物件情報を収集してもらうのが一般的です。最近はテクノロジーの発達でカラーの写真や動画まで物件資料と合わせた紹介方法を工夫している業者も多いので、イメージは湧きやすいはずです。
☑エリア・環境
☑物件
☑間取り
☑設備
優先順位をしっかりと伝えて、自分に合った物件を見つけましょう。
《不動産業者の選び方》
①会社指定の不動産業者がないか確認しましょう
個人で手続きを進めていた不動産業者の質が悪く鍵渡しが遅れ、新居に住めなかったため赴任日の業務に支障をきたした。解約時にとんでもない暴利を請求された。など、転勤に伴う社宅制度がある企業の人事部では必ず不動産トラブルを経験しています。最近は個人で発見した不動産業者との取引を禁止し、指定不動産業者で物件を契約することとしている会社も増加しています。また、社宅業務は社内でも大きな負担となるため、一括して業務を委託する「社宅代行業者」を利用している企業も増えています。社宅業務をアウトソーシングしている場合には社宅代行会社の指定店から物件を紹介してもらうのがトラブル回避の基本です。
②会社指定の業者がない場合は
指定業者がない場合はインターネット等で検索する必要がありますが、不動産業者は『なんでもやります』とうたっているところが多く、ふたを開ければ法人契約手続きに慣れておらずにトラブルになるケースも多発していますので、十分調査が必要です。
✅法人契約の賃貸を扱っているか
✅地域に密着して情報収集を行っているか
✅法人専門の部門があるか
✅規模は十分か(多店舗展開しているところが望ましい)
✅大手社宅代行会社と取引実績があるか
以上の点は調べておくとよいでしょう。特に社宅代行会社との取引は厳しい条件をパスし、取引で大きなトラブルを発生させると取引停止となるため提携している場合には一定の基準はクリアしていると判断しても問題有りません。特に大手社宅代行会社はサービス品質などでも選定基準があり取引の審査が厳しいため、大手と取引のある不動産業者がよいでしょう。少人数の店舗で法人契約に特化し、大手社宅代行会社の依頼を一手に引き受けている会社もありますのでキーワードをうまく使ってよく調べてみましょう。「【地域】【賃貸】【法人専門】」などで検索するとヒットします。
《B2Bはポータルサイトを優先しない》
法人契約は個人契約と異なり、借主は会社となるため契約自体に様々な制約があります。契約書の隅々まですべてチェックし、問題点の修正依頼をしますが貸主が頑として譲らない場合は契約不可となりキャンセル、探し直しとなると大変な労力です。まずは不動産業者と営業担当を探し、ポータルサイト見つけた物件は担当に問い合わせると、『おとり広告ではないか』、『法人契約可能か』など、業者側としての意見で回答してくれます。いい物件の基準はB2BとB2Cでは全く違いますので手順を守らなければトラブルとなり不利益を被るのは転勤者自身です。
借上げ社宅法人契約は物件選びの前に、不動産会社選びが重要となります。
転勤者のコミュニティサイトではアパマンショップやピタットハウス、エイブルやミニミニが良かったなどと書き込みされていますが、これらはほとんどは会社名ではなく集客力を強化するためのフランチャイズ(FC)店であり、物件情報力や提案力など、営業担当の知識とはほとんど関係がありません。法人契約は会社ごとの制約のなかから最適な物件を紹介する能力が必要であり、フランチャイズ名で良し悪しを判断することは根本的に間違えています。法人契約の満足度は広告宣伝力ではなく取引実績の経験によって決まるため、〇〇市の法人契約なら〇〇不動産(の〇〇さん)と、法人契約に力を入れている不動産業者の情報を収集することがトラブル回避と良い物件に出会える秘訣です。
《内見は一日で決着》
転勤者は物件をのんびり選んでいる暇はありません。事前に物件を紹介してもらい、気に入った物件があれば内見日まで部屋をおさえておけないか営業担当に相談してみるのは普通のことですので遠慮せずに聞いてみましょう。
《引っ越し手続き》
引っ越し手続きも必要となります。引越し代が会社負担であれば指定業者があるはずですが、無い場合には自分で手配しなければなりません。値段で選ぶのか、品質で選ぶのか、予算に合わせて選びましょう。
《社内手続き》
それぞれの会社によって手続きは異なります。異動に伴う【通勤交通費変更届】や、【社宅利用誓約書】など、会社の命で赴任するにもかかわらずなぜさらに負担させるのかわかりませんが、指示された手続きを行う必要があります。また、赴任手当や住宅手当など、支給される手当は所得税や住民税の他、社会保険料の増額も伴いますので手放しで喜ばないようにしましょう。できるだけ会社契約で支払いしてもらい、税法・社会保険法上の報酬が増額しないようにすることが賢い節約です。
【記事監修】RESUS社会保険労務士事務所/山田雅人(宅地建物取引士・社会保険労務士)
大企業・上場企業を中心に10年にわたり全国500社以上の人事担当と面談、100社以上の社宅制度導入・見直し・廃止に携わった経験を活かし、不動産に特化した社労士として事業主・従業員双方にメリットの高い制度設計など中小企業の働きやすい職場に向けた取組を支援しています。
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